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日中戦争での勝利に日本中が大喜びをしている頃、家庭劇も戦争を題材にした芝居をすることで大盛況となります。
千代の新たなる物語の幕開けです。
おちょやん第16週 あらすじ
『頑張れ!集配婆さん』大盛況!

「頑張れ!集配婆さん」の舞台
昭和12年、千代は30歳になりました。
世の中は日中戦争での勝利に喜び、鶴亀家庭劇では戦争を題材にした『頑張れ!集配婆さん』という、戦争に行った息子の代わりに手紙の集配をするおばあさんの物語の演目を上演したところ、お客さんが殺到。
おかげで岡安にもお客さんが戻ってくるようになり、シズも大喜びです。
そんな中、千代は、父・テルヲの借金をシズに返しに行きます。
「助けてもろたさかい。お父ちゃんの借金は、うちが返します。」
シズは「あんたが返す必要は、あれへんのやで。「頑張れ!集配婆さん」でうちにお客さんがよう来てくれて助かってるわ。」
といってくれましたが、千代はしっかり返し、やっと肩の荷を下ろしたのでした。
シズ「ほんで、家族の方はうまくいってますのか。」
千代「子供には恵まれへんけど、うちにとっては劇団員の人たちが子供みたいなもんだす。」
怪しい若者? 寛治現る。

新派の座長の息子、寛治
千秋楽を迎え楽屋へ帰ると見知らぬ若者が楽屋に!
彼を見るなり千代は「ドロボー!」と叫んで大騒ぎになるのです。
しかし、彼は何かを盗もうとしていたのではなく、楽屋が汚かったから片付けようとしていたと言います。
彼の名前は松島寛治。
新派の座長の息子だったのですが、父が死去したために劇団は解散。
行く当てがないとのことで、大山社長が家庭劇で面倒を見るようにと言ったのです。
千代は、寛治を預かることを決意。

千代は寛治の面倒を見ることに決める
気が散って台本が書けなくなると文句を言う一平でしたが、「座長さんの台本、どれもおもろいですね」と、言われて笑顔になります。
家事も積極的に手伝う寛治。
そんな彼が、転んでおひつの中の米をこぼしてしまうと、その日の3人のお茶碗の中はほんの一握りの米だけになりました。
落ち込む寛治の姿を見ていられなかった千代は、自分の茶碗の米を彼に分け、一平にも渡すように言います。

「うちがあんたのお母ちゃんや!」
泣く泣く一平も米を渡すのですが、次の瞬間に寛治は満面の笑みを浮かべたのです。
騙されたと分かった千代は、米を返せと騒ぎますが、時すでに遅し。
寛治は米を全て食べてしまいました。
翌日、洗濯物を干しながら、千代は寛治に対して、昨夜の嘘泣きは見事だったと褒めます。
舞台には立たないのかと聞くと、寛治は「芝居は見るのに限る」と返します。
「うちも最初はそうだった」と言って、高城百合子のことを語り出す千代ですが、寛治は思い出に浸る千代の目を盗み、外へ遊びに行ってしまいました。
書斎では一平が台本を書き、自分は寛治と追いかけっこ。
子供ができたら毎日こんな風になるのだろうかと、千代は考えるのでした。
「うちがあんたのお母ちゃんや!お母ちゃんて呼び」
身寄りのない寛治を預かり、一喜一憂する日々が始まった千代。

お母ちゃんて呼び!
寛治が、実の母親を知らないと明かすと、「ここにいてる間は、うちがあんたのお母ちゃんや!お母ちゃんて呼び」
千代が得意満面で迫ります。
嫌がる寛治は、もっときれいで優しい人がいいと言い出し、煙に巻くのでした。
不満顔な千代を、どうせ1か月だけの付き合いだと一平が諭します。
それでも千代は諦めません。
「絶対お母ちゃんと呼ばしたる!」~と意気込んでいると・・。
突然の訪問

高城百合子と小島真治の訪問
思いがけないニ人の突然の訪問を受ける。
高城百合子と小島真治である。
小島は一度は実家に戻って家業を継ぐが、夢を諦めきれず、高城百合子に再会したことで、また舞台の世界に戻り、憧れだった百合子と結婚し、全国を回っているという。
雪で止まった列車が動くまで泊めてほしい、とのことで、千代と一平は快く承諾する。
次の日、一平は二人が特高警察に追われている、と熊田から聞かされる。

「客に媚を得るような芝居はしたくない」百合子
時勢に逆らう芝居をして、特高から目をつけられていた二人はソ連に亡命しようとしていたのだ。
千代は、亡命をとどまってほしいと、家庭劇でのお芝居を百合子に勧めるが、百合子は「客に媚を得るような芝居はしたくない」と拒否する。
特高警察。
そんな時、特高警察のドアのたたく音が・・
迷惑がかかるから出頭する、という二人を、千代と一平は押入れに隠すが、特高は目ざとく押し入れを開けると、そこにいたのは寛治だった。
「すんまへん、見逃しとくなはれ、この子は特高のお偉い人の隠し子だす」とちよが芝居をすると、特高は怪訝なが引き上げていった。
二人は、押し入れのさらに奥に隠れていたのだ。
しかし、千代たちの説得もむなしく、ソ連への亡命するために旅立っていった。
翌年、小島と百合子が国境を越えてソ連へ亡命した、とのニュースが世間を騒がせていた。
うちらと一緒に暮らせへんか?

千代と一平は寛治に生い立ちを話す。
千代と一平は、それぞれの生い立ちを寛治に話し「うちらと一緒に暮らせへんか?」
「うちらは絶対あんたを裏切らへん・何でやわかるか?うちらはあんたの痛みが解かってるからや」
「騙されへんで」と笑ってはぐらかそうとする寛治に一平は「笑いたく無いときに無理に笑うことはない」
千代も「泣きたい時は思い切り泣いていい」といって寛治を抱きしめる。

家庭劇の舞台にあがる寛治
鶴亀家庭劇の年明け興行に、千代たちと共に舞台に立つ寛治の姿があった。
第16週 感想

第16週は、千代と一平の家に、少年・寛治を一時預かる~ということから、子供のいない千代と一平は、寛治と一緒に暮らすことを望み、寛治を説得するのですが、千代は「お母ちゃん役」として嬉しい気持ちになったようですね!
寛治のキャラクターも将来の喜劇王になることを示唆するような独特のものとして描かれ、彼の今後の活躍が期待されますが、家庭劇に無くてはならない役者に成長していくところまでは、このおちょやんの朝ドラでは描かれないでしょうから、残念ですが、またの機会に!

